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裂肛

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
山名哲郎 (東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長)
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  • ■疾患メモ

    裂肛(anal fissure)とは,肛門縁から歯状線の肛門上皮に生じた裂創や潰瘍の総称である。

    肛門疾患の中では痔核や痔瘻についで頻度が高い。

    肛門後方正中(6時方向)と前方正中(12時方向)が好発部位である。

    急性裂肛は辺縁の段差のない浅い裂創である(図1)。

    慢性裂肛は辺縁に段差がある深い潰瘍で,肛門ポリープやスキンタグを伴うことが多い(図2)。

    05_65_裂肛

    裂肛の成因は硬便の通過による機械的な外傷であるが,肛門括約筋の攣縮と肛門上皮の虚血が関与していると考えられている1)

    クローン病では,特徴的な不整形の深掘れ潰瘍が生じることが多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    排便時の鋭い疼痛が特徴的である。

    出血は紙につく程度の少量であることが多い。

    【検査所見】

    指診で強い疼痛が生じることが多い。

    肛門鏡診察では肛門上皮に裂創や潰瘍性病変がみられる。

    慢性裂肛では,裂肛病変に随伴する肛門ポリープやスキンタグを認める。

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