□巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)は病理学的な診断名であり,様々な疾患の症候群的要素が強い。しかし,臨床的にはいずれ末期腎不全へと進行する予後不良の疾患群であるため,積極的な治療介入を早期より行う必要がある。
□ネフローゼ症候群として発症することが多く,漏出蛋白量が微少変化型に比し多量であり,血尿の継続や高血圧を随伴する場合がある。
□多くはステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の臨床像を呈するが,初期にはステロイド感受性がある症例も存在する。
□遺伝子異常も近年になり判明してきており,スリット膜やポドサイトの構成蛋白異常により惹起される病態であることがわかり,必ずしも免疫学的機序を介していない群も存在している1)2)。
□特異的な検査項目はないが,問診にて家族歴が存在する場合には遺伝子検索を考慮する。
□腎病理では傍髄部の糸球体に分節性硬化が散見されることがあるが,それ以外の糸球体には変化がないため採取組織によっては鑑別が困難な場合がある。
□FSGSの形態学的バリアントとしてコロンビア分類が汎用される(表)。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより