日本大医学部腎臓高血圧内分泌内科主任教授の阿部雅紀氏は3月13日、透析治療製品を提供するヴァンティブが開催した「ヴァンティブ ローンチ発表会~透析には2つの選択肢があることをご存じですか?~」に出席した。在宅で治療可能な腹膜透析について国内のデータを紹介し、患者のライフスタイルや価値観を踏まえた適切な治療選択の重要性を訴えた。
阿部氏は国内の透析治療患者のうち97%が血液透析を選択しており、腹膜透析を選択する患者は全体の3%に留まると解説した。腹膜透析の普及率が低い要因として、腹膜透析を行う医療機関が少ないことや、医療は専門家にしてもらうものだと考える日本人の民族性などを指摘。「腹膜透析について医師が説明しても、患者には伝わっていない場合がある。患者のライフスタイルや価値観に合った治療を、患者だけでなく、家族、医師や看護師が一緒に考え、選択することが求められている」と強調した。
同社代表取締役の河野行成社長は、国内事業において腹膜透析を「おうち透析」と名づけ普及と啓蒙に注力する意欲を示し、腹膜透析治療に対応する医療機関を検索できるWEBサイトの新設とYouTubeチャンネルの開設を発表した。
発表会にはタレントの加藤茶さん、妻の綾菜さんも出席。過去に血液透析を勧められたという加藤さんは「透析を始めると、今まで一生懸命頑張ってきた仕事やコントができなくなってしまうと思い辛かった」と当時を振り返った。
阿部氏とのトークセッションで加藤さんは「寝ている間に透析ができるのであれば、仕事や旅行も諦めないで済む、新しい選択肢としてすごくありがたい」と話し、「100歳まで舞台に立ちたい」と意欲を見せた。
「腹膜透析という選択肢に目の前が開けた気分」と語る加藤さんと阿部氏
綾菜さんは「腹膜透析という選択肢が増えると、患者本人だけでなく支える家族の負担も軽くなる。今後(加藤さんが)透析を始めることになってもこれまで通り夫婦で楽しく生活できそう」と明るく語った。
発表会に登壇した(左から)河野社長、加藤さん、綾菜さん、阿部氏
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