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ウイルス性疣贅(尋常性疣贅など)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-04-05
石井 健 (東邦大学医療センター大森病院皮膚科准教授)
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  • ■疾患メモ

    ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus:HPV)感染による乳頭腫状の皮膚,粘膜病変。いわゆる"いぼ"。

    HPVの表皮ケラチノサイトへの感染により,角化異常が誘導され乳頭腫を形成する。

    HPVはヒトからヒトへの直接感染,あるいは器具などを介して間接感染する。潜伏期間は一定しないが,数週から数年,平均3カ月程度といわれている。

    ウイルスが皮膚の微小外傷から侵入し角化細胞に感染する。角化細胞の分化に伴ってウイルスの複製が進み,顆粒層で成熟ウイルス粒子が完成する。落屑とともにウイルス粒子が放出され他の部位に感染する。

    病変の性状,部位などによって,尋常性疣贅,青年性扁平疣贅,尖圭コンジローマ,ミルメシアなどと呼称される。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    〈尋常性疣贅〉

    手指,手背,足趾,足底に好発する。疣状に隆起した丘疹,小結節ないし局面である(図1)。多発することが多い。痛み,そう痒はない。HPV-2が主体であるが,その他27,57型などでも発症する。

    14_40_ウイルス性疣贅(尋常性疣贅など)

    〈青年性扁平疣贅〉

    青年期に好発。顔,四肢にわずかに隆起した常色から紅褐色調で小豆大までの丘疹,または小結節が多発する。HPV-3,10,28など。

    〈ミルメシア〉

    深在性の手掌足底疣贅。幼少児の手掌,足底に中心噴火口状に陥凹するドーム状結節を生じ,蟻塚様の外観を呈する。HPV-1型による。

    〈色素性疣贅〉

    尋常性疣贅様で黒色調を呈するもの。主にHPV4,65型による。

    ※尖圭コンジローマ(「§12-23),ボーエン様丘疹症(「§14-41参照

    【検査所見】

    表皮では過角化や不全角化,顆粒層肥厚を伴った乳頭状表皮肥厚を認める。

    顆粒層に空胞細胞や粗大化したケラトヒアリン顆粒を見る(図2)。

    14_40_ウイルス性疣贅(尋常性疣贅など)

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