□皮膚の細菌感染症であり,原因菌が表皮に感染して膿痂疹が生じる。
□原因菌は黄色ブドウ球菌が多いが,A群β溶血性連鎖球菌も原因になりうる。
□ヒトからヒトへと接触感染をする。接触によって,火事の飛び火のように急速に周囲の皮膚に広がるため,"とびひ"とも呼ばれる。
□あせも,虫刺され,湿疹などを引っ掻いて掻き壊したり,転んだりしてできた傷に感染する。
□夏季に多く,乳幼児に発症しやすい。
□黄色ブドウ球菌が原因菌である場合は,水ぶくれを伴う水疱性膿痂疹となる。全身症状を伴わないことが多い。
□A群β溶血性連鎖球菌が原因菌ならば,かさぶたが厚くつく痂皮性膿痂疹となる。発熱,リンパ節の有痛性腫脹,咽頭痛などの全身症状を呈することもあり,重症例では全身が紅皮症になることもある。
□病変部の表面膿より細菌培養検査を実施して,治療効果が不十分な場合に備える。
□治療効果,培養結果および薬剤感受性を見て,抗菌薬の再選択を行うこともある。
□最近MRSA(methicillin resistant Staphylococcus aureus)による水疱性膿痂疹が増加している。
□痂皮性膿痂疹では,血液検査で白血球増多やCRP上昇がみられることがある。また,皮疹の治癒後に腎炎を起こし,尿蛋白が陽性になることがある。
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