□日常の生活において屈筋腱・伸筋腱断裂は指の開放創に合併する。初期診断と適切な治療が必要である。腱断裂の見落としは機能障害を引き起こす。
□新鮮屈筋腱断裂では開放創を伴っている。以下のように手指が屈曲不能である。
・深指屈筋腱のみの断裂:指遠位指節間(distal interphalangeal joint:DIP)関節のみの屈曲不能。
・深指・浅指屈筋腱の断裂:DIP関節,近位指節間(proximal interphalangeal:PIP)関節の屈曲不能,中手指節間(metacarpophalangeal:MP)関節屈曲可能。
・浅指屈筋腱断裂のみ:指は屈曲可能。
□陳旧性断裂:新鮮断裂放置例。
□皮下断裂:手根骨の障害,骨折変形治癒などの摩擦による断裂。
□新鮮伸筋腱断裂では開放創を伴っている。手指伸展が不能または弱い。
・指基節部より近位断裂:MP関節の伸展は弱いが,PIP関節,DIP関節は内在筋からの側索が損傷されていなければ伸展可能。
・PIP関節以遠:DIP関節のみ伸展不能である。指伸筋腱中央索の深指屈筋腱のみの断裂では屈曲不能でMP関節屈曲可能。
・浅指屈筋腱断裂のみ:指は屈曲可能である。
□陳旧性断裂:新鮮断裂放置例。
□皮下断裂:リウマチ,遠位橈尺関節変形症などによる断裂。
□sublimisテスト:他の指をPIP,DIP関節他動伸展,患指を屈曲させる。浅指屈筋腱損傷を調べる。
□Elsonテスト:伸筋腱中央索断裂の有無。ボタン穴変形を呈している場合など。PIP関節を他動屈曲させDIP関節を伸展させる。DIP関節伸展不能ならば中央索正常,伸展可能ならば中央索断裂。
□画像検査:CT,エコーなど。
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