□保護者などに手を前腕回内位で急に引かれると橈骨頭が輪状靱帯から逸脱し,亜脱臼の状態になる。
□この疾患は橈骨頭周囲の輪状靱帯が柔軟な幼少児に特有な病態である。
□再発しやすいが,成長とともに発生しなくなる。
□受傷エピソードとして引っ張ったようなことがない場合(急に泣き出した場合や机からの転落,兄弟同士の喧嘩など)では骨折を疑い,肘周囲の腫脹,変形を確認する。
□患児が手を引っ張られた後に上肢を垂らし,やや肘は屈曲,前腕回内位で痛がって動かそうとしない。健側の手で患側を支えていることもある1)。
□手を引っ張られる以外に腕を振り回される,肘が体の下敷きになるなど,肘が長軸へ引っ張られるだけでなく,回内方向へのねじれでも起きる。
□肘周囲の腫脹や変形はない。しかし橈骨頭周囲に圧痛があり,同部に触られるのを嫌がる。
□5歳以下の子どもに多いが,8歳以上でも稀にみられる。
□女子のほうが男子より多いとされている。
□患側に引っ張られたエピソードがあり,外観上で肘周囲に腫脹や変形がなければ,一般的にはX線で確認する必要はない。
□小児肘内障のX線像では明らかな異常はない。
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