□野球肘・テニス肘は,繰り返しのスポーツ動作により生じる肘関節障害の俗称であり,正しく病態を示すものではない。
□ここでは野球肘の代表として上腕骨小頭離断性骨軟骨炎を,テニス肘として上腕骨外側上顆炎について述べる。
□激しい肘痛を訴えないこともあるが,詳細に見れば,圧痛,肘可動域制限などの症状があることが多い。
□上腕骨外側上顆炎は,タオル絞り動作やヤカンなどを持ち上げる動作で肘外側の痛みを訴えることが多い。
□検査は肘屈曲45°単純X線正面像における上腕骨小頭の骨軟骨透亮像,分離像が重要である(図1)。近年は超音波による骨軟骨病変の早期発見が注目されている1)。
□手術適応の決定にはCTにおける病変の大きさ(図2)やMRIによる不安定性評価が有効なことがある。
□診断は主に,圧痛とThomsenテスト,middle finger extensionテストなどの理学所見が中心となることが多い。
□単純X線では,軽度の骨棘や骨硬化がみられることもあるが,基本的には典型的な所見は認めない。MRIでは短橈側手根伸筋起始部に水腫(T2強調での高信号)所見や関節内滑膜ひだを見ることがある。
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