□腎癒合異常の中では最も多く,頻度は400人に1人とされる。
□90~95%は腎下極での癒合である。
□胎生4~6週に左右後腎が正中を越えて癒合したもの。
□癒合部位は峡部(isthmus)と呼ばれ,大動脈,下大静脈の前面に位置する。
□通常,尿管は峡部の前面を走行するために水腎症を合併することが多い。
□尿路感染症を30%,結石を20~80%に認める。
□合併奇形は成人(3.5%)より小児例(28.5%)で発見されることが多く,膀胱尿管逆流,停留精巣,尿道下裂,双角子宮,中隔腟,一側多嚢腎などがある。
□多くは無症状であり,スクリーニングの超音波検査で見つかることが多い。
□最も多い症状は軽い腹痛や腰痛であり,水腎症や峡部による腹部神経叢の圧迫によって起こる。
□脊柱を後屈させることによって腹痛や吐き気,嘔吐が発生し,前屈させることにより消失する現象をRovsing徴候と呼ぶ。
□古典的な画像所見の特徴として,腹部単純撮影や排泄性腎盂尿管造影で腎,腎盂の位置が低い。また,正常腎の左右腎軸は腎の上方で交差するが,馬蹄腎では腎の下方で交差する(逆ハの字)。
□現在ではCTや3D─CTを撮影することが一般的であり,これにより峡部や血管の情報などを詳細に評価できる。
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