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尿道狭窄[私の治療]

No.5241 (2024年10月05日発行) P.40

橘田岳也 (旭川医科大学腎泌尿器外科学講座准教授)

登録日: 2024-10-05

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  • 尿道狭窄は様々な原因によって尿道粘膜や尿道海綿体が損傷し,修復される過程でそれら組織に瘢痕化が起こり,尿道内腔が狭くなる疾患である。主症状は排尿困難であり,尿閉などをきたす場合もある。男性に好発し,小児から高齢者まで幅広く患者が分布する。適切な治療を選択しないと患者のQOLを大きく損ねる。

    ▶診断のポイント

    男性の排尿困難を認めた場合には,前立腺肥大症といった頻度の高い疾患に加えて,本疾患の存在を検討すべきである。特に若年者においては尿道狭窄の可能性が高い。付帯する会陰部の痛みや違和感,繰り返す尿路感染なども重要な症状である。また,尿道狭窄の原因として尿道炎や騎乗型損傷,骨盤外傷,経尿道的手術の既往や尿道カテーテルの使用歴が挙げられるので,そのような既往を確認する。

    尿道内視鏡:尿道狭窄を疑った場合,行うべき検査である。尿道内視鏡は尿道狭窄の診断に最も特異的であり,尿道造影でとらえられない尿道粘膜の線維化や硬さも評価できる。観察中に尿道を体表から圧迫することで,具体的な狭窄部位を把握できる。

    尿道造影:画像検査の基本は尿道造影である。逆行性尿道造影を行い,狭窄部位と狭窄長を評価する。逆行性尿道造影だけでは狭窄部の中枢側の情報が得られないため,必ず順行性尿道造影(排尿時膀胱尿道造影)を併せて行う。場合によっては,経膀胱瘻造影を組み合わせた挟み打ち造影を行う。

    MRI:外傷性狭窄,瘻孔合併例,救済手術例など複雑な背景を有する症例では,骨盤部MRIが有効である。

    尿流測定・残尿測定:尿道狭窄の診断に特異的ではないが,治療後の効果判定・フォローアップに有用であるため行う。

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