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膀胱損傷・尿道損傷・陰茎損傷

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-30
瀧澤逸大 (新潟大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野)
冨田善彦 (新潟大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器病態学分野教授)
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  • Ⅰ.膀胱損傷

    ■疾患メモ

    尿漏出を伴わない挫傷と,尿漏出を伴う破裂がある。

    臨床的に重要となるのは膀胱破裂であり,破裂形式によって腹膜内破裂,腹膜外破裂および腹膜内外破裂に分類される。

    腹膜内破裂は受傷時に膀胱が緊満していた場合に起こることが多く,比較的脆弱な膀胱頂部が破裂しやすい。

    腹膜外破裂は通常,骨盤骨折に関連してみられることが多い。

    発症機序によって鈍的外傷と医原性外傷に分類される。鈍的外傷は骨盤骨折が最も多く,医原性外傷は産科婦人科手術,消化器外科手術や泌尿器科手術で起こる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    鈍的外傷に伴う膀胱損傷が単独に起きることは稀であり,腹部や骨盤外傷の症状・診断が主となることが多い。

    恥骨上部痛や,自排尿および尿道留置カテーテルの挿入時に肉眼的血尿がみられた場合には膀胱損傷を強く疑う。

    【検査所見】

    透視下膀胱造影:300~350ccの希釈した造影剤を注入し,透視下に注入前・膀胱充満時・排出時の撮影を行う。

    CT膀胱造影:多臓器外傷の精査目的に行うCT検査時に,造影剤を充満させて撮影する。

    腹膜内破裂では腸管周囲への造影剤溢流像,腹膜外破裂では膀胱周囲・骨盤腔内への造影剤漏出像を認める。

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