□加齢によるアンドロゲン低下に起因する臓器機能低下は,加齢男性性腺機能低下症候群(late-onset hypogonadism syndrome:LOH症候群)として定義される1)。
□LOH症候群の症状は精神的,身体的ともに多岐にわたり,疾患特異的な症状はないが,性欲の低下,ED,そしてmorning erectionの減少がLOH症候群の診断として重要となる2)。
□主な症状:全身倦怠感,性欲低下,やる気の低下,ED,集中力低下,不眠,いらいら,肩こり,排尿障害,頭重感,耳鳴り,動悸,morning erectionの減少,などの症状が認められる。
□スクリーニングとして,国際的にHeinemannらによるAging Males' Symptoms(AMS)スコア(表1)が頻用されるが,LOH症候群に特異的ではない。ほかに,androgen deficiency of aging male(ADAM)質問票(表2),熊本式質問票が用いられており,実際の臨床ではこれらを組み合わせて活用している1)。
□血液検査として,テストステロン,遊離型テストステロンの測定を行う。保険上は,同時に測定すると査定される。国際的には総テストステロン値が診断に用いられており,血中のテストステロン値が300~350ng/mLを治療介入の目安2)としている。
□テストステロンは日内変動があるため,採血は午前中に行う。
□スルピリドなどの抗うつ薬を内服している場合にはテストステロンが低値になる場合があり,服薬の確認は必須である。
□原発性性腺機能低下症と続発性性腺機能低下症の鑑別に黄体化ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定が有用である。
□必要な場合には,ストレスで変動する副腎コルチゾールや副腎由来のデヒドロエピアンドロステロン(DHEA),DHEAサルフェース(DHEA-S)が測定される。
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