□挙児希望を持ち避妊をしないカップルのうち,約15%が1年間で妊娠できないとされる。
□これら不妊カップルのうち,約半数のケースで男性因子が関与していると考えられており,その原因としては精子形成障害,精路通過障害のほか,勃起不全などの性機能障害が挙げられる。
□性機能障害を除けば患者は無症状で,不妊を主訴に受診する。
□精液検査を行い,乏精子症,精子無力症,奇形精子症,無精子症の診断を行う。WHOより精液検査の基準値に関するラボマニュアルが発刊されており,日本語翻訳版もインターネット上で入手可能である(表1)1)。
□精液検査で異常所見を認めた場合,生活習慣の聴取,身体所見の診察,内分泌検査を行う。無精子症症例では染色体検査や遺伝子検査も追加する。問診では喫煙や高温環境,精子形成に影響を与えうる内服薬の有無などをチェックする。
□身体所見では外性器や陰毛の発育,精巣容量のほか,立位と臥位で精索静脈瘤の有無を診察する。外性器や陰毛の発育不良はテストステロン分泌不全を,精巣萎縮は精子形成障害を示唆する所見である。
□内分泌検査では血清ゴナドトロピン値(FSH,LH),テストステロン値を評価する。一般的に精路通過障害では正ゴナドトロピン,正テストステロンであるが,精子形成障害では正~高ゴナドトロピン,正~低テストステロンを呈する。
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