□外リンパ瘻(perilymphatic fistula:PLF)は,内耳リンパ腔と周辺臓器の間に瘻孔が生じ,生理機能が障害される疾患である。瘻孔は蝸牛窓,前庭窓,骨折部,microfissure,炎症などによる骨迷路破壊部,奇形などに生じる。瘻孔から外リンパが漏出すると,めまい,耳鳴,難聴などが変動・増悪する。
□外リンパ瘻の発症メカニズムを模式的に示した(図)1)。
□外リンパ瘻の症状は多岐にわたり,専門医でも診断が難しい。覚えておきたい臨床像は,①突発性や,進行性・変動性難聴にめまいを伴う,②突発性難聴の治療後,難聴が改善したのにめまいが持続する,③頭部外傷や全身打撲後の慢性めまい,の3点である。
□わが国では,世界に先駆けて診断基準が発表されている(表)。
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