株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

扁桃肥大・アデノイド増殖症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
森脇宏人 (東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科外来医長)
    • 1
    • 2
  • next
  • ■疾患メモ

    扁桃肥大・アデノイド増殖症が臨床的に問題となりやすいのは,その多くが生理的肥大を認める3~8歳頃の時期である。その後アデノイドは徐々に消退し成人においてはほとんど問題とならないが,扁桃肥大は小児のみならず成人においても閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)を重症化させる要因である。また,アデノイド増殖症はOSAのみならず,滲出性中耳炎,鼻副鼻腔炎などを引き起こし多彩な症状を呈するため,日常診療においてはそれらについてよく把握しておく必要がある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    いびき,無呼吸,摂食障害は,扁桃肥大・アデノイド増殖症ともにみられるが,鼻閉,口呼吸,難聴はアデノイド増殖症においてみられる症状である。

    OSAを引き起こすと,日中の過度の眠気,倦怠感,早朝の頭痛,中途覚醒のほか,小児では成長の遅延,顎顔面発育障害,夜尿,学習障害,多動などの症状が,成人においては作業能力・集中力の低下,抑うつ,さらには高血圧,耐糖能異常など生活習慣病とも関連してくる。

    【検査所見】

    アデノイドの肥大の程度は,上咽頭側面X線検査にてアデノイドと鼻咽腔の大きさを比較し評価する方法(adenoid-nasopharynx ratio:A/N比)などがある。また,鼻腔から内視鏡を挿入し鼻咽腔の断面積に対してアデノイドが占める割合を評価する方法や,アデノイドと周囲組織との関係で評価する方法(Parikhの分類)などがある。

    扁桃肥大は視診により肥大の程度を評価するが,口蓋扁桃の大きさそのものを評価する山本による分類や,口蓋扁桃が口峡部の幅に占める割合で評価するBrodskyによる分類などがある。

    1190疾患を網羅した最新版
    1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中


    PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
    コチラより

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    page top