□舌乳頭が延長し,毛が生えたような状態になる疾患を毛舌と言う。またその多くは黒色を呈することから黒毛舌とも呼ばれる。本疾患は特に治療は必要とせずに,原因となる薬剤の中止などで消失することが多い。
□舌の糸状乳頭が著しく延長し角化が亢進し,肉眼的には舌に毛が生えたように見える。
□抗菌薬や副腎皮質ステロイドの長期投与によって生じることが知られており,菌交代現象による口腔内細菌叢の変化によるものとも考えられている。
□原因菌の中に色素産生菌もみられるため,舌に褐色あるいは黒色の毛が生えた様相を呈し,黒毛舌と呼ばれる場合が多い(図)。
□他の原因として,喫煙,放射線照射,口腔乾燥,消化器疾患,腎障害,糖尿病も誘因となる。外見上重症に見えるが,症状は比較的軽度で疼痛などの自覚症状もみられない。
□特に本疾患に特徴的な異常所見を示す検査はない。問診による基礎疾患の把握,コントロール状態,投薬内容で診断する。
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