□口唇裂,口蓋裂は顔面に発生する先天異常の中で最も多く発生し,胎生8週までの胎芽期における発育障害のために発生すると考えられる。口唇裂,口蓋裂,口唇口蓋裂の3つの病態に分類される。
□発生率は日本では約600人に1人である。左側に多く発生し,他の臓器に先天異常を認めることがあり,症候群の一症状として認められることも多い。
□口唇裂では審美障害,言語障害を認め,顎裂を合併すると歯列不正による審美障害,咀嚼障害が伴う。口蓋裂は鼻咽腔閉鎖機能不全により哺乳障害,咀嚼障害,言語障害ならびに上顎の発育障害が発生する。
□上顎の劣成長に伴い,成長終了時に相対的な上顎後退,下顎前突による反対咬合を呈することが多い。
□口蓋裂一次手術施行患児に対する言語管理のための検査と評価:言語管理はコミュニケーションがとれるようになる3歳頃より言語発達の評価とともに定期的に行う。その際に,開鼻声と異常構音などの聴覚的所見を評価する。さらに,ブローイング検査,鼻息鏡を用いて鼻漏出の程度を評価する。これらの所見を参考にして言語訓練を定期的に継続していく。
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