□わが国における性別・年齢別通院率の調査では,妊娠可能年齢女性の1000人に6~9人が甲状腺疾患で通院しており,妊娠可能な女性の一般的な病気である。
□妊婦の1000人に1~3人に甲状腺機能亢進症や機能低下症が合併する。潜在性甲状腺機能異常も含めると数パーセントに異常がみられる。
□甲状腺機能亢進症の原因となる代表的な疾患はバセドウ病であるが,妊娠初期はヒト絨毛性ゴナドトロピンによる一過性甲状腺機能亢進症の鑑別が重要である。
□甲状腺機能低下症の原因となる代表的な疾患は慢性甲状腺炎(橋本病),術後甲状腺機能低下症である。
□甲状腺機能異常合併妊娠は,未治療や治療が不十分であると,流早産,妊娠高血圧症行群,早期胎盤剥離,死産,胎児甲状腺機能異常などの妊娠転帰が不良になることから,妊娠中に十分な治療が必要である。
□頻脈,体重減少,手指振戦,発汗増加などの甲状腺中毒症所見。
□びまん性甲状腺腫大。
□眼球突出,または特有の眼症状。
□無気力,易疲労感,眼瞼浮腫,寒がり,体重増加,動作緩慢,嗜眠,記憶力低下,便秘,嗄声など。
□甲状腺腫:慢性甲状腺炎の場合はびまん性腫大。術後や131I内服療法後,萎縮性甲状腺機能低下症の場合には甲状腺腫は触れない。
□遊離T4,遊離T3のいずれか一方または両方高値,かつTSH低値(0.1μU/mL以下)。
□抗TSH受容体抗体(TRAb,TBII)陽性,または刺激抗体(TSAb)陽性。
□遊離T4低値およびTSH高値。
□遊離T4正常およびTSH高値。
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