編著: | 林 明人(順天堂大学医学部附属浦安病院リハビリテーション科教授) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 256頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2018年11月30日 |
ISBN: | 978-4-7849-4800-0 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
■パーキンソン病は早期からリハビリテーションの関与は必須!さらに薬物療法や外科治療と組み合わせて行うことで、さらなる改善が期待できます。
■本書は、治療とリハビリの組み合わせといった基礎的なところから、実際に現場で行われている各種リハビリのコツや、患者への福祉や心理的サポート、また今後リハビリに使われそうな最先端のロボティクスやバーチャルリアリティの紹介までを網羅しています。
■「リハビリ」は患者自らが参加できる治療法でもあります。ぜひ本書を活用し、患者さんと一緒に治療を進めてください!
1章 パーキンソン病のリハビリテーション─総論
2章 パーキンソン病の運動療法,作業療法,言語療法,摂食嚥下訓練
3章 パーキンソン病の音楽療法
4章 地域での連携
5章 パーキンソン病における介護・福祉・心理的サポートなど
6章 その他のリハビリテーション・取り組みなど
診療科: | リハビリテーション科 | リハビリテーション科 |
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内科 | 神経内科 |
1章 パーキンソン病のリハビリテーション─総論
Q1 マネジメントにおけるリハビリテーションとは?
Q2 薬物療法と非薬物療法とは?
Q3 早期診断と治療とは?
Q4 早期リハビリテーションとは?
Q5 患者の訴えとリハビリテーションとは?
2章 パーキンソン病の運動療法,作業療法,言語療法,摂食嚥下訓練
Q6 運動療法とは?
Q7 LSVT®-BIGとは?
Q8 歩行障害の特徴とは?
Q9 トレッドミルを用いたリハビリテーションとは?
Q10 携帯歩行分析とは?
Q11 首下がりの病態とは?
Q12 首下がりに対するリハビリテーションとは?
Q13 腰曲がり・斜め徴候に対するリハビリテーションとは?
Q14 平衡感覚のリハビリテーションとは?
Q15 作業療法とは?
Q16 言語療法とは?
Q17 摂食嚥下訓練とは?
Q18 ブラッシュアップ入院とは?
Q19 回復期リハビリテーション病棟でのリハビリとは?
3章 パーキンソン病の音楽療法
Q20 リハビリテーションとしての音楽療法とは?
Q21 神経内科医が実践している音楽療法とは?
Q22 音楽療法士が実践している音楽療法とは?
4章 地域での連携
Q23 PD Cafeとは?
Q24 地域での連携とは?
Q25 地域での取り組みとは?
5章 パーキンソン病における介護・福祉・心理的サポートなど
Q26 カウンセリングと非運動症状への対応とは?
Q27 認知行動療法とは?
Q28 パーキンソン病と緩和ケアとは?
Q29 リハビリテーションの阻害因子とは?
Q30 介護・福祉サービスとは?
6章 その他のリハビリテーション・取り組みなど
Q31 ロボティクスとは?
Q32 ダンスの効果とは?
Q33 バーチャルリアリティ(VR)の効果とは?
Q34 経頭蓋磁気刺激とは?
Q35 ホームアダプテーション,遠隔医療などの試みとは?
Q36 医療分野におけるAIの取り組みとは?
パーキンソン病(PD)はアルツハイマー病についで多い神経変性疾患です。わが国では人口10万人に対して約150人の有病率があり,多くの患者さんがおられます。PDの原因解明や治療には目覚ましい進歩があり,iPSによる治療の試みも開始されてきています。しかしながら,最新の内科的・外科的治療を行っても,その進行を完全に抑えることはいまだできません。
リハビリテーションは内科的・外科的な治療に加えて行うことで,症状のさらなる改善が期待できる治療です。つまり,PDにはリハビリを行うことで,さらなる伸びしろがあります。また,患者さん本人が参加できる治療法であり,患者さんやご家族の関心も高く,モチベーションをあげることにもつながる大切な分野です。
本書では,PDのトータルケアやマネジメントという観点を含めて,最新のリハビリ知識や具体的なリハビリ,あるいは取り組みについて,Q&A方式で36項目について40人の専門の先生方にご執筆頂きました。
PDの理解,早期診断と治療,特に非薬物療法であるリハビリの役割,重症度に合わせてのリハビリの目標や介入方法を選択する際の考え方, ブラッシュアップ入院,患者さんのニーズとリハビリ,リハビリを阻害する要因などが解説されています。運動療法,作業療法,言語聴覚療法に加えて,音楽療法の分野での知見について詳しい様々な方面からも解説して頂きました。
内服薬で難渋することの多い首下がりや腰曲がり,すくみ足を中心とした歩行障害の病態や,リハビリをどう行うかなども言及しています。また,リハビリをどこでどのように行うかなどの地域での取り組み,緩和ケアの考え方なども紹介しています。さらに,遠隔治療やAI,ロボティクス,ダンス,バーチャルリアリティといった新しいリハビリなど, 今後のPDに対するリハビリについて重要な視点から広く解説してあります。
本書はPDのリハビリに必要な最新知識が掲載されており,PDに携わる方々にとって必携の書です。また,最後にPDのトータルケアについて語らい,今回も執筆をお願いしました故村田美穂先生に哀悼の意を表します。
PDに携わる多くの方々の目に本書が触れられ,PDの患者さんの明るい未来に少しでもお役立ちできるようになることを切に願います。
2018年11月
林 明人