著: | 岡野匡志(大阪市立大学整形外科学) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 212頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2020年07月20日 |
ISBN: | 978-4-7849-5792-7 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
◆関節エコー検査は簡便で非侵襲性のため、いまや幅広く普及しています。診断、治療効果判定、病態把握と多岐に渡り有効です。
◆そんなエコーを有用に使うためには、適切な撮像手技や条件を理解し、特徴的な所見をしっかりと探すことがなによりも重要です。そのために本書では150本を超える動画と300点を超える画像を掲載し、具体的にわかりやすく解説しております!
◆きれいにエコーを取るためのセッティングは? 各関節ごとのリウマチの特徴は? エコーではそれがどう見える?ほかの鑑別疾患にはどんなものが? エコー下関節穿刺のコツってあるの? それらの疑問に答える1冊です!
関節エコー検査はリウマチ性疾患の診療において,現在幅広く普及してきている。その有用性は診断のみならず,治療効果判定ならびに疾患活動性のマネジメントまで多岐にわたるが,現時点では診断時が最も有用性が高くエビデンスも豊富に存在すると言える。
この背景には,各疾患に特徴的な所見やそれらが検出される部位などがパターンとしてまとまってきたため,エコー画像で疾患の病態を把握することがある程度可能となったことが挙げられる。関節リウマチらしい骨びらんを伴った滑膜炎や尺側手根伸筋腱の腱鞘滑膜炎の存在,乾癬性関節炎らしい腱付着部を中心とした炎症所見,痛風らしい軟骨表面への結晶沈着を伴った関節炎所見などがそれに該当する。 本書のタイトルに含まれる“Perfect Image”という言葉は,筆者の関節エコーの師匠であるイタリアのWalter Grassiが常々口にしていた言葉であり,その言葉は適切な撮像手技や撮像条件で特徴的な部位に特徴的な所見を探すことが,病態の把握へと導いてくれるということである。
病態を把握するための所見をきっちり描出するには,各関節での正常解剖を理解したり,関節エコー特有の撮像方法を習得したりと,押さえるべきポイントがいくつかある。撮像についてのコツは動画で見るほうが理解しやすいと考え,本書ではできるだけ多くの動画を取り入れた。
動画で学習することでPerfect Imageが理解しやすく,それを実践することで診療の質が向上するといえる。