編: | 岩本 航(江戸川病院スポーツ医学科 部長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 496頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2021年12月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-5893-1 |
版数: | 第1 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
1. 肩関節周囲の解剖
2. 肩関節周囲のバイオメカニクスとキネマティクス
3. 野球投手の投球動作のバイオメカニクスと投球障害予防
4. 肩関節不安定症のバイオメカニクス
5. 肩関節周囲の運動連鎖
6. 肩のスポーツ診療における診察法(身体所見を中心に)
7. 肩のスポーツ診療に有効な画像診断(X線、MRI、CT)
8. 肩のスポーツ診療に必要な画像診断(エコー)
9. 投球障害肩の病態と治療の道筋
1. インピンジメント症候群
2. 腱板損傷
3. 反復性肩関節脱臼
4. 肩鎖関節脱臼
5. 肩関節不安定症
6. 胸郭出口症候群
7. スポーツにおけるSLAP損傷および上腕二頭筋長頭腱炎・損傷
8. 腱板疎部・関節上腕靱帯の病変(投球障害肩について)
9. 成長期・スポーツ障害
10. 肩のスポーツ外傷
・鎖骨骨折
・烏口突起骨折
・上腕骨近位骨端線離開
・投球骨折
・肩関節周囲筋肉離れ
・Burner症候群
11. ハイレベルアスリートに見られる肩のスポーツ障害
12. 稀な疾患
・第1肋骨疲労骨折
・肩甲骨関節窩の離断性骨軟骨炎(OCD)
・肩甲胸郭関節滑液包炎
13. 肩痛を有するスポーツ選手の末梢神経障害
スポーツ外傷・障害の治療では選手が競技復帰するための高い目標設定が必要となる。従って選手に関わる治療者は競技特性を理解したうえで、診断から競技復帰、再発予防まで幅広い知識が要求される。肩関節の診療においては、肩関節周囲の局所的な治療もさることながら、全身の機能を含めた運動療法が必要不可欠である。そのため診療にあたっては、医師とリハビリテーションスタッフとの連携が欠かせない。職種を超えて共通概念を持ちながら、治療に望むことが重要である。
本書は、肩関節のスポーツ診療にあたるうえで必要な知識が網羅的にまとまっている。
1章では「総論」と題して、解剖からバイオメカニクスや画像診断など、日々の臨床や研究において最低限必要になることを解説している。
2章では「肩のスポーツ疾患」と題し、各疾患について診断から治療、手術、リハビリテーションまでを解説している。各項でいつも診療をともにされている医師と理学療法士、アスレチックトレーナーの先生方に共著による執筆をお願いした。
肩関節に関わる重要な用語や概念は、各項で繰り返し使用されているが、執筆者により様々な切り口で解説がされている。また類似した病態であっても、それぞれに評価方法やリハビリテーションの組み立ては様々である。本書を通読いただければ多面的なとらえ方ができるのではないかと思われる。日進月歩の医療において、治療者は常に知識をアップデートする必要がある。肩関節のスポーツ診療に関する最新情報が本書から得られるはずである。
本書が選手と向き合っている多くの治療者のお役に立てることを切に願う。出版にあたって尽力いただいた日本医事新報社の吉本様に深謝するとともに、本書の企画段階から協力をいただいた山田 慎先生、星加昭太先生、木島丈博先生にお礼を申し上げたい。
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。