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医業経営ツールボックス 経営編 Vol.2

◆Vol.2 医療法人化は良い事ばかり…?

医療法人化を検討しています。知人はかなりのメリットがあるといいますが、具体的にはどんな事がありますか?
主に、《1》節税面 《2》必要な出費 《3》土地・建物の所有権は 《4》出資金額はどのくらい(現金)必要か、が気になります。

当院の現状は下記の内容です。
 ◎開業5年内科診療所
 ◎診療収入1億2,000万円
 ◎申告所得4,000万円
 ◎土地 自己所有・建物(銀行ローン)1F診療所・2F住居
 ◎医療機器リース

慌てず、じっくり考えましょう。
節税、良き人材の確保、将来における承継などでメリットはありますが、即、濡れ手で粟とはいきません。個人の申告所得が増えたからといってあわてて着手するのではなく、2~3年じっくり検討し節税以外のメリットも判断材料にしたいものです。

ご質問の金銭面に関しては、概ね下記の内容です。

《1》節税に関しては、個人の場合、所得税・住民税合わせて約1,600万円
法人の場合(理事長給与2,000万円・法人所得2,000万円として)、所得税・住民税合わせて約1,100万円となり、法人化により500万円の節税となります。

《2》法人化により、職員の厚生年金・健康保険料の法人負担分(常勤職員の年収合計2,000万円として)年間約220万円が発生します。

《3》土地・建物を出資することにより法人資産とした場合、法人は不動産取得税・個人は譲渡税の負担があります。
(必ずしも法人所有が条件ではありませんが、都道府県により違いがありますので、事前協議をお薦めします)
また、法人化の業務手数料(顧問税理士に支払い)約50万~100万円が出費となります。

《4》出資金は経費の2カ月分相当を準備される事をお薦めします。
個人診療所のときの医業未収金(保険)2カ月分をそのまま出資金に充てるケースもあります。

今回は金銭面の概要をご案内しましたが、他に多くの留意点もありますので、随時ご案内していきたいと考えています。

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