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医業経営ツールボックス 経営編 Vol.16

◆Vol.16 医療広告ガイドライン改正後におけるホームページ作成のポイント

開業11年目の内科医です。現在まで自院独自のホームページは作成しおりませんでしたが、オンライン診療の導入も念頭に、新たに作成を検討しています。
2018年6月の医療広告ガイドラインの改正により医院ホームページも広告扱いとなったことで、どのような対応を行うべきか、また作成にあたってのポイント、業者選びのコツなどご教示願いたいのですが。

自院のホームページ作成は、「誰が・何のために・どんな・どのように」を検証することが重要です。
広告規制の対象範囲が看板などの従来の「広告」から「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」へと変更され、Webサイトによる全ての情報提供も規制の対象となり、ホームページだけでなく医療機関が運営するものとして公開されるブログやSNSも規制の対象となりました。

厚生労働省は本規定について今後、必要に応じて追加・見直し等を行う旨を明記しておりますので、内容のチェックが必須です。
今回は現段階での業者選択のコツ・ホームページ作成時の留意点・改正内容のポイントをご紹介いたします。

【ホームページ作成時のポイント】
◆ホームページ作成時に必要な検討事項:「何のために」「どんなホームページを作成するか」を検証
・現状分析(来患者の年齢分布・現状での改善点の洗い出し、他)
・運用方法の検討(誰が、どのように管理するか先々の運用予定、他)
・自院のPR したい項目(自院の強み・特色の明確化)
・患者様(ユーザー)目線での提供情報の選別と提供順位
・他院ホームページの検証・スマートフォンでの運用検証

◆ホームページ作成の選択肢:「誰が」「どのように」を検証
・院長やスタッフなど院内で作成(WordPressなどのソフトを利用など)
・プロに依頼 (医療関連のWeb制作会社・Webマーケティング会社など)

-ポイント-
オンライン診療や診療予約システムなど長期の運用を前提に考えておられる方は、プロに依頼する方法をお薦めします。しかしメイン業務が制作・マーケティングのどちらかにより、提供する内容に差がありますので、業者情報の精査は重要です。

【医療広告ガイドライン改正のポイント】
今回の「医療に関する広告規制の見直しを含む医療法等改正法」により、Webサイトによる情報提供も規制の対象となり、厚生労働省から医療広告ガイドラインが提示されました。
薬事法関連以外の基本禁止事項は、《比較広告》《誇大広告》《広告を行う者が客観的事実であることを証明できない内容の広告》《公序良俗に反する内容の広告》となります。
なお、上記ガイドラインの具体的解釈の為に厚生労働省より「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(平成30年8月作成・同10月改訂)が発表されていますので幾つかご紹介します。

-医療広告ガイドライン解釈 注意したい事例-
1.最上級の表現の使用制限
最先端・最適・最良・最上などは禁止。ただし、最新は、客観的に実証できる根拠がある場合は、必ずしも禁止される表現ではありません。

2.虚偽・誇大広告の制限
・医療機関のWebサイト上の口コミ情報で、患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談は、虚偽・誇大広告として禁止事項です。
「当診療所に来れば、どなたでも○○が受けられます」など、必ず特定の治療を受けられるような表現は虚偽広告に該当します。
 イメージ画像・イラスト使用制限(所有しない医療機器・他院の建物・患者が回復し元気になるイラストなどは虚偽・誇大広告になる場合があります。

3.治療効果に関する表現の制限
「2週間で90%の患者で効果がみられます」など、効果について誤認を与えるおそれがある表現は、広告できません。

4.標榜科目の表記について
ホームページ新設・リニューアルの場合、標榜科目の経過措置が適用されません。

5.専門医・学会表記について
「医師○○○○(××学会認定××専門医)」のように、認定団体(厚生労働省認可のあるもの)の名称を資格名とともに示す必要があります。

6.専門外来の表現
「○○専門外来」という表記は制限されますが、「〇〇外来」と表現し専門性の高いという内容を紹介することは可能です。

以上、一部をご紹介いたしましたが、上記規定には一定の条件を満たした場合、広告可能事項の限定解除が認められる場合がございます

Webサイトでの情報は、患者等が自ら求めて入手する情報を表示し、情報について問い合わせや照会が容易に行えるシステムを構築することが可能な部分が多々ありますので、この点を熟知しあらかじめ提案できる制作業者選びが重要になります。

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