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医業経営ツールボックス 経営編 Vol.3

◆Vol.3 医院の広告はずっと必要?

開業して5年になります、来患数も安定し採算面でも問題ない状態です。この状況であれば、現在のクリニックの広告費(駅・電柱看板ほか数種類で15万円)は、削減できるのではないかと考えています。広告に関しては、どのように考えることが適切でしょうか?

油断は禁物です。広告費削減の前に、効果を把握する姿勢が大切です。

無我夢中で、過ごしてこられた5年が過ぎ、ほっと一息でしょうか?
しかし来患数が安定し採算面でも余裕があるこの時期は、最も油断大敵とお考えください。何故なら開業は経営であり、常により発展することを目指さなければならないものです。
一度患者様として定着した方は、必ず再患となるとは限りません。トラブルや診療の問題はなくても諸々に事情で再来院が不可能になる患者様も多数おられます。ご自身に問題がなければ、患者様が離れることはないと考えたいところですが、そうはいきません。
患者様は常に流動するものです。競合施設の出現がいつおきるとも限りません。来患数の減少に対する備えは、怠らずにいたいものです。

では、その為に高額の広告費を使い続けるしかないのかという疑問がわいてきます。
答えは『NO』です。
いかに潤沢な資金があっても無駄な広告費を使うことはお勧めしません。大切な事は、可能な限り効果に関する検証を続けることです。

※原則1年ごとに見直しを心がけましょう
具体的な方法としては「来患者のエリア分析を行う」「アンケート実施により来院のきっかけの把握すること」等です。この結果から各広告媒体の効果、今後の必要性を判断し予算配分を決定しましょう。
加えて実際の広告、特に看板広告周辺の確認を定期的に行いましょう。折角の広告が樹木の陰にといったことも良く見られます。また、飛び込みでの広告営業、タレントとの対談を勧める写真誌、特別価格を売りにしてアプローチする業者等、注意が必要な場合があります。
広告に関しては、アンテナを広げ、おかしいなと思う広告や、初めて試す広告に関しては、可能な限り知人からの情報等を有効活用しましょう。

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