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医業経営ツールボックス 経営編 Vol.4

◆Vol.4 リース期間が満了 終了? 買取? 再リース?

開業時に入れた医療機器のリース契約の期間がもうすぐ満了になります。契約終了時の措置で迷っています。どんな方法がベストでしょうか?

X線装置は買取、心電図は再リースが有利!!

リース期間満了時の買い取は、リース会社にとっては代金他の回収が完了している状態ですから、買い取価格は格安であろうと考えがちですが、実際は下記にご説明する費用が必要となります。その為、高額な医療機器で長期間利用するものと、比較的低価格で使用期間10年未満のもの区分してお考えになる事をお薦めします。
具体的には、X線装置は通常10年以上使用されるケースが多く価格も高いうえ取付工事もありますので、新品に変えることはかなりの負担となりますので買取が有利でしょう。ただし、買取時の費用負担は思いのほか多くなります。

一般的に買取価格は商品代金の10%(定率法における未償却残額)以上、または市場価格となります。加えて買取に際してはメーカー許可が必要です。その折にはメーカーによるオーバーホール(費用負担はユーザ)が必要なケースが増えています。この点は見落としがちなため、買取費用予算試算の折には注意が必要です。
なお、今後は法改正などにより買取が難しくなっていくことも予想され、新規リース契約の際にはあらかじめその事を十分承知しておく必要があるでしょう。

心電図はX線装置に比べ価格も安く使用期間もほとんどが10年未満と比較的短いことから、1年ごとの再リースが良いでしょう。もっとも、新品には興味がなく物を大事に使うという方は、買い取ってできるだけ長く使うのもよいかと思います。

最後に、今回はリース満了時の対応に関してご紹介いたしまたが、今後考えられる新規医療機器導入時のリースか購入かの選択にあたってのポイントを簡単にご紹介します。どちらが絶対に有利とは申し上げられませんが、ここではあくまで費用面の負担額にポイントをおいてご紹介します。
一般的にリースは、リース会社が商品代金・金利・保険料、リース会社の利益を全て回収できることを前提に設定されています。加えてリース期間満了時にも買取・再リースなど継続的に費用負担が発生します。従って、一般的なリース期間5年10年のスパンを考えると、資金的に余裕があれば購入の方が最終的には費用面での負担が少なくなると考えられます。
では自己資金がない場合はリースが良いのかという点は、国の公的融資や都道府県の制度融資を利用することにより低利息での融資を受ければ、最終的には購入の方が有利な場合もございます。
その他、節税面での効果などを総合的に判断し、ご自身の無理のない方法をお選びください。


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