皆さんABPM(24時間自由行動下血圧測定)という検査をご存知でしょうか?
私がABPMを積極的に日常診療に活用するようになったのは、震災から1年8カ月がたった時期でした。それまでは震災後に自治医科大学の協力のもと、ICTを用いた家庭血圧管理を行い、開始時は登録者(351名)の平均血圧が160mmHg近くあったものが、震災の翌年には120mmHg台と良好なコントロールが得られ、血圧管理は家庭血圧による管理で十分であると考えていました。しかし、ある患者さんが家庭血圧は120mmHg台とコントロールがよいのに、ABPMでは夜間血圧が130台と高くなっていたのです。その経験から家庭血圧だけでは見逃してしまう危険な血圧があるということを実感しました。
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