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(2)外科治療を考慮すべき病態[特集:外科治療か内科治療か 肝癌に対する治療選択]

No.4936 (2018年12月01日発行) P.36

中村育夫 (兵庫医科大学肝・胆・膵外科講師)

波多野悦朗 (兵庫医科大学肝・胆・膵外科教授)

登録日: 2018-12-03

最終更新日: 2018-11-28

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肝細胞癌(HCC)の手術適応は,わが国と欧米諸国で異なる

欧米諸国では,BCLC staging systemのアルゴリズムが用いられている

わが国では,「肝癌診療ガイドライン」が用いられている

手術適応は,肝予備能,腫瘍の局在,切除範囲を考慮して決定する

高度脈管浸潤を伴う進行HCCでも肉眼的治癒切除プラス術後補助療法で良好な予後が期待できる

1. 肝細胞癌(HCC)の治療─欧米とわが国の違い

肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)に対する治療は多岐にわたり,多くの治療法が存在する。腫瘍が肝臓にのみ限局している場合は腫瘍学的に肝移植が根治的な治療と言える。欧米諸国では脳死肝移植が盛んに行われているが,わが国ではいまだ脳死肝移植を受ける機会は少なく,生体肝移植が主流で肝移植の症例数も伸び悩んでいる1)。欧米諸国とわが国では保険医療システムの違い,HCCの背景肝の違い,また各種治療法の技術の違いがあるため,治療アルゴリズムも異なる2)

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