肝外胆管に発生した癌腫の総称である。予後不良であり,難治がんに位置づけられる。胆管閉塞による黄疸や肝障害,胆汁感染に伴う胆管炎の病態を伴う準緊急疾患でもある。その局在により外科治療が異なるため,肝門部領域胆管癌と遠位胆管癌に二大別される。
眼球や皮膚の黄染,瘙痒感,褐色尿,灰白便は閉塞性黄疸の典型的な症状である。生化学的検査による閉塞性黄疸,すなわち間接優位の総ビリルビン値の増加と胆道系酵素の上昇を認める。ついで,腹部超音波検査,腹部造影CT,核磁気共鳴画像法(MRI)などで,腫瘤もしくは胆管壁肥厚とその上流側の胆管拡張を確認する。臨床病期分類も同時に行う。
多くの場合は有症状なので,速やかに内視鏡的胆管ドレナージを施行し胆管減圧を図る。過去には経皮経肝的な胆道ドレナージを行っていたが,現在では第一選択では行わなくなった。
臨床病期分類に基づき切除適応を決定する。遠隔転移や4個以上もしくは大きなリンパ節転移を認める場合は切除不能である。これらを認めなくても,腫瘍が周囲臓器に直接浸潤する場合は,切除の利益と不利益のバランスを考慮し慎重に切除の適応を考える。これら腫瘍因子に加え,年齢,活動度,合併余病などの全身状態や肝予備能なども考慮する必要がある。
切除不能症例に対しては抗癌剤治療が行われる。現在,ゲムシタビン,シスプラチン,TS-1〔ティーエスワンⓇ(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)〕,デュルバルマブが承認されており,これらを用いる。また,最近ではコンパニオン診断や遺伝子パネル検査に基づき,新規薬剤を用いる機会が増加してきた。
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