岩手医大、金沢医大、福岡大は8日、医学部の入学試験において、文部科学省から「不適切な運用がある」と指摘されたことを明らかにし、謝罪した。
東京医大の不正入試問題を受けて、文科省は10月、東京医大を除く80大学を対象に医学部入試に関する調査を実施。その結果、複数の大学において不適切な事案が明らかになったことを発表するとともに、大学自らが公表するよう求めていた。
岩手医大は、学士編入学試験で、卒業後地域医療に従事することを出願資格とし、履行の可能性を重視する観点から同大歯学部出身者を優遇。また2018年度の一般入試では、総合的な評価から不合格と判定された者よりも評価が低かった特定の者を優先的に追加合格させたとしている。
金沢医大は、①特別推薦入学試験(AO入試)における推薦書の評価において、同窓生子女、北陸三県高校出身者、現役生・一浪生に対して加点、②編入学試験(第1学年次後期編入)の書類審査において、北陸三県出身者に加点したほか、年齢に応じて点数を加点・減点、③一般入学試験における補欠合格者への電話連絡に際して、若年者を優先―の3点を公表した。
福岡大は、高校が作成した調査書の評価において、高校卒後年数により一律的に差異を設けていたことを公表。同大の一般入試は一次選考の学科試験(400点満点)、二次選考の小論文・調査書・面接(50点満点)の合計450点満点で選考しており、二次選考の調査書の評価で現役生は0~20点、1浪生0~10点、2浪生以上は評価の対象外としていた。これは、調査書の有効性の観点から、時間的な経過(卒業年度)を考慮する考えで行っていたという。
3大学ともに今後の入試において、こうした取扱いを止めるほか、この問題に関して再調査を行う方針を明らかにしている。
なお、文科省は年内に調査結果の最終とりまとめを公表する方針。