株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

英語学習者としての人生[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.34

山下秀一 (佐賀大学医学部附属病院病院長)

登録日: 2019-01-02

最終更新日: 2018-12-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

英語の勉強が趣味である。きっかけは40歳になった頃に、当時高校2年生であった長男の英語の成績が最悪であったことと、次男がラ・サール中学に入学したので、2人に英語を教えようと思い立ったことである。

私自身も高校時代に偏差値49を取ったこともあり、英語は大の苦手であった。文法から始める必要があると判断し、まずは代ゼミのテレビ講座を受けた。開業したもののまったくはやらず、暇であったことが勉強には幸いした。

文法が終わると、ケーブルテレビでBBCを見はじめた。子ども達には少し気の毒だったが、日本語のテレビ番組はすべて視聴禁止にした。BBCのニュースは最初ただの音にしか聞こえなかったが、不思議なもので、3カ月ほど経った頃に何となく言葉のように聞こえはじめた。何を言っているのかは画像で推測するのみであったが。

その頃、別のチャンネルで FOXニュースという番組を発見した。見てみるとBBCとは全然発音が違い、またしても音にしか聞こえないことに愕然とした。この時BBCはイギリス英語、FOXはアメリカ英語であることに初めて気がついた。アメリカ英語が聞き取れないとドラマや映画が理解できないと考え、その時点からBBCの視聴をやめてFOXに集中することにした。

ドラマも英語のみ、特にX-Filesばかりを見ていたが、全然わからずに自分はバカなのだろうと自己嫌悪に陥った。小説も20年以上日本語のものは読まず、英語のみとした。本棚は読んだ英語の小説で埋まっている。この習慣は続けており、ニュースはCNN中心である。ドラマは会話がきわめてナチュラルで聞き取りが極端に難しい「The Mentalist」を毎日ディクテーションしている。現在ほとんどのシーズンのディクテーションを終了した。それでも字幕なしでは60~70%しか理解できず、物語の筋を楽しむことはできても、肝心な場所(肝心な場所に限って早口で曖昧な発音になる!)が聞けずに、なんで犯人が捕まったのかわからないことが度々ある。

これほどまでに努力しても実力はおそまつなもので、英語は私にとって死ぬまで手の届かない遠い憧れである。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top