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恩師の教え「始めたらやめないこと」、でも区切りをつけて再出発[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.95

板橋道朗 (東京女子医科大学消化器・一般外科教授)

登録日: 2019-01-06

最終更新日: 2018-12-26

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私は、これまで、実に多くの先輩や同僚、後輩にご指導・協力して頂き、たくさんの恩師に恵まれ、様々な教えを頂きました。本当にありがとうございました。多くの教えを頂きましたが、その中でも故・濱野恭一名誉教授の教え「始めたらやめないこと」は、現在でも非常に大切なことであると考えています。

この言葉は、一つのことに邁進していけば自ずと道は開ける、続ける努力を惜しまない大切さを物語っています。そして、何かを求めて新しい試みを始めても、時が経つと最初の情熱を忘れていつの間にかやめてしまうことが多いことを暗に諭しています。明らかな目標を自ら掲げて、その実現に邁進することは、医師の全員に求められていることだと思います。

それぞれの立場や環境で多種の目標があると思います。自分の求める目標を実現するには何が足りないのか、どうすれば充足することができるのか、実現可能な方略を考える必要があります。しかしながら、時代の流れは速く、新しい診断機器や手術方法の進歩、さらに働き方改革など、医療を取り巻く環境も激動しています。

「始めたらやめないこと」、そしてその目標を達成するためには、①実現するためのステップを分割してそれぞれの期間の目標を立て、②それぞれの期間の目標達成のために方略を立て、③各期間の目標が達成されているか、次の期間の方略が適切か、を考えていくことが必要です。

年頭にあたり、今年の目標を決めた先生方も多いと思います。若い先生方には、ワクワクするような夢と高い目標をもって、「始めたらやめないこと」、でも区切りをつけて再出発して目標を実現してほしいものです。

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