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brain and heart team[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.47

木村和美 (日本医科大学脳神経内科教授)

登録日: 2019-01-03

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私は、神経内科医で脳卒中が専門です。最近、心房細動に対する直接経口抗凝固薬(DOAC)の登場により、循環器内科と神経内科の関係が密となっています。心房細動は、心原性脳塞栓症の原因の9割を占める疾患です。DOACが懸け橋となり、循環器内科医と神経内科医が手をつなぐことになりました。brain and heart teamの結成です。これまでなかったことです。2科の連携はすばらしいことです。

また、心房細動の治療に、最近、アブレーションも注目されています。アブレーションにより、心房細動を抑え、脳梗塞の予防、心不全、死亡を減らせると報告されています。神経内科医も、アブレーションについて知らないでは済まされない時代です。脳梗塞を発症した心房細動患者に、アブレーションをすることにより再発を予防できないか?と興味があります。

そこで、循環器内科と神経内科・脳神経外科で、この疑問を解決するために、STABLED研究を行い、新たなエビデンスをつくりたいと思います。循環器内科と共同して研究を行うのは初めてですが、今後の研究のあり方のひとつだと思います。

私は、心臓の卵円孔開存が原因となる奇異性脳塞栓症の研究を長らく行っています。7mmほどの小さな穴が、いろいろな病態(片頭痛、低酸素、高山病、潜水病、脳塞栓など)を引き起こします。本当に不思議な穴です。

私は、20年前に、卵円孔開存が脳梗塞の原因となるとことを証明し、その後、卵円孔開存の診断法を明らかとし、奇異性塞栓症の診断基準を作成しました。それが、治療法しては、カテーテル的卵円孔閉鎖術が、内科治療よりよいと報告されました。ここまで医学が進んだのか、とすごく感慨深いです。今後、わが国でも、奇異性塞栓症の卵円孔開存に対してカテーテル的卵円孔閉鎖術が行われるようになると思いますが、適応基準は、ぜひ、brain and heart teamで決めてほしいと思います。

今後、循環器内科と神経内科は垣根なく連携する時代に入ったと言っても過言ではありません。brain and heart teamを、貴院でも活動してみたらどうでしょうか?お勧めします。

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