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超低出生体重児の乳児期発症鼠径ヘルニアに対するLPECの経験

No.4942 (2019年01月12日発行) P.56

澁谷聡一 (順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科)

登録日: 2019-01-12

最終更新日: 2019-01-08

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【剝離操作が少ないため術後の浮腫も軽度である】

近年,小児鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC)は標準術式となっている1)。しかし,LPECが適応となる年齢に明確な基準はなく,施設ごとに委ねられているのが現状である。今回,超低出生体重児で乳児期に手術を要した症例に対するLPECの妥当性について検討したので紹介する。

2012~17年に超低出生体重児で乳児期(修正月齢12カ月以下)に鼠径ヘルニア手術を施行した症例を抽出し,LPEC施行群(L群:17例)と鼠径部切開法施行群(C群:22例)を後方視的に比較検討した。平均手術時間は,L群:49.2分,C群:70.2分,うち片側例でL群:31.9分,C群:55.8分,両側例でL群:61.3分,C群:108.8分と,いずれもL群で有意に短かった。平均麻酔時間は,L群:105.1分,C群:128.2分,うち片側例でL群:86.7分,C群:105.7分と有意差を認めなかったが,両側例ではL群:118.0分,C群:188.3分とL群で有意に短かった。術後,L群で1/17例(5.9%)でヘルニアの再発を認めたが,再度LPECを施行し根治しえた。C群では再発を認めなかった。

LPECは剝離操作が少ないため術後の浮腫も軽度で,手術時間,麻酔時間ともに短いという利点がある。超低出生体重児の乳児期発症鼠径ヘルニア手術においても,LPECは十分良い適応になるものと考えられた。

【文献】

1) Takehara H, et al:J Pediatr Surg. 2006;41(12): 1999-2003.

【解説】

澁谷聡一 順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科

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