No.4943 (2019年01月19日発行) P.65
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2019-01-16
最終更新日: 2019-01-15
まったく脈絡ない内容で連載しているように思われているだろうし、実際そうである。しかし、過去2年、年頭には前年の何かを記録した大テーマについて書いている。
昨年は堂々と「達成!1日1万歩」を、そして一昨年は「カレーなる人生」として、年間総食事数の約6%にあたる68食がカレーであったことを報告している。今年は、休肝日がどれくらいあったかについて。缶ビール1缶でも飲酒は飲酒、完全非飲酒の日は以下のとおりで計60回だった。
1月:9回、 2月:9回、 3月:3回
4月:7回、 5月:3回、 6月:3回
7月:2回、 8月:7回、 9月:3回
10月:4回、 11月:4回、 12月:6回
じつはこの企画(というほどでもないけど)には下心があった。エッセイにする際、できるだけいい子ぶって見せるため、きっと無意識に休肝日がふえて、からだにいいだろうとふんだのである。
いかにもちっこい人間が考えそうなことではある。が、それが功を奏してか、1月は飲まなかった日が9回もあった。日記を確認したら、お正月と外食の日以外、ほとんど家飲みをしていない。けっこうえらい。
2月もその調子で9回、と言いたいところなのだが、ちょと違う。大腸ポリープの内視鏡切除をうけたので1週間続けて飲めなかったのだ。ということで、それ以外の休肝日は2回だけという低レベルにいきなり堕落。4月は7回と善戦(というのか)したのだが、5月から7月は休肝日が2~3回しかなくて、ほぼ毎日飲酒。とほほ。
あかんがな、と大きく反省し、8月は気を取り直して7回に。といいたいところなのだが、これも違う。夏休みに旅行したインドのラダックでは、高山病が怖かったり、アルコールを置いてない食堂が多かったりで、単に飲めなかっただけなのである。
12月は6回とやや多目になっていて、えらいような気もするが、実情としては、あまりにヘビーな飲み会が多くて、それ以外の日はまったく飲む気すらわかなかっただけなのだ。ぜんぜんあかんがな。
本当は年間総アルコール摂取量を記録したかったのだが、そんなもんわかるはずがない。年齢のせいでめっきり弱くなり、摂取アルコール総量は減ってるはずやから、年に60回も休肝日があったということで、まぁ、よしとさせといてください。
なかののつぶやき「ネットで検索したら、休肝日にはさしたる医学的根拠がない、とか書かれてたりしてて、けっこう嬉しがらせてくれます。そういうのは、きっと酒飲みが書いてるんでしょうな。たとえ医学的根拠がなくても、ときどきは飲酒しない日があったほうが、アルコール総摂取量を少しでも抑えられてええような気はします。といいながらも、なかなか休肝日を増やせないのが、いやしき酒飲みの性ですわ」