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瞳孔の左右差[プラタナス]

No.4948 (2019年02月23日発行) P.3

窪田 彰 (医療法人社団草思会理事長/ 錦糸町クボタクリニック院長)

登録日: 2019-02-23

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  • 筆者は精神科医である。身体科から精神疾患を疑われて紹介されたが、重大な身体的疾患が判明する事例が稀にある。

    事例は50代の女性である。頭痛にて救急車で近くのA総合病院救急外来を受診したが特別の身体的所見はなく、精神疾患の疑いを持たれて私が勤務するB総合病院の精神科救急に転送された。

    頭痛は3日前の昼頃から始まっており、近くの内科に受診したが鎮痛薬を処方されて帰宅した。翌日になっても頭痛は治まらず、今度はC大学病院の脳神経外科に受診した。ここでも特別な所見なしとのことで鎮痛薬を処方されて帰宅した。しかし痛みは治まらず、夕刻になってさらに激しい頭痛に襲われ救急車で近くのA病院の救急外来を受診し、そこからB病院の精神科救急に救急車で転送されたのだった。

    既に頭痛で脳外科には受診しており、脳外科的な疾患は除外され解離性障害(ヒステリー)を疑われたと予想した。一般的にヒステリーの患者の場合には、家族が既に本人の訴えに辟易としていて診察についてこないことが多い。しかし、この患者には夜にもかかわらず真剣な眼差しの家族が5人も同行しており、特別な事態が生じたことを物語っていた。

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