災害医療の第一人者として知られ、4月5日、内閣官房参与に就任した。「大災害が発生したとき、我々は教訓としてだけでなく科学的なデータとしてフィードバックできるよう経験を蓄積していく必要があります。ほかの地域で発生した場合どうなるか。比較、検討、分析を行い、今後に生かせるようにすることが私に課せられたミッション」というように、菅義偉官房長官からは災害医療と危機管理についての助言を求められている。
通常の救急医療と災害医療の最大の違いはどこか。「医療行為に大きな差はありませんが、災害時はどれだけ多くの人を助けられるかが重要になります。目の前の患者に最善を尽くすという医師本来の倫理観からは逸脱する部分がありますが、きれいごとではなく、辛いトリアージ、つまり将来を見据えた命の選択が求められます」と指摘する。
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