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DV・虐待の加害者更生プログラムとは(森田展彰 筑波大社会精神保健学准教授)【この人に聞きたい】

No.4951 (2019年03月16日発行) P.8

森田展彰 (筑波大社会精神保健学准教授)

登録日: 2019-03-14

最終更新日: 2019-03-13

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最大の目的は被害者の安全確保
更生プログラムの制度化や積極的な介入など
支援体制の強化が課題

もりた のぶあき:1989年筑波大卒。2010年より同大医学医療系社会精神保健学領域准教授。NPO法人RRP研究会(http://www.rrpken.jp/)監事

相次ぐ虐待事件を受けて、厳罰化を求める声がある一方で、加害者に焦点を当てた治療の必要性も指摘されている。ドメスティック・バイオレンス(DV:配偶者暴力)や虐待の加害者更生プログラムに携わる精神科医の森田展彰氏に話を聞いた。

自身の暴力と責任を認識

─DVや虐待が起きる背景をどう考えていますか。

DVや虐待の加害者は近親者との関係の持ち方について、感覚が歪んでいます。自分の言う通りにしてもらうという権利意識が強く、他人としての境界線が曖昧なのです。特にDVでは、日本の社会全体が持っている男性優位の考え方が大きな原因です。またトラウマ的な怖い思いをして育つと、感情を調節する力が育ちにくくなります。強い言葉や暴力は、相手を黙らせて、自分の力を誇示するのに手っ取り早く便利です。次第に暴力に頼るようになっていきます。

DV、虐待で暴力犯として捕まると、刑法の枠組みで衝動性や怒りをコントロールするための暴力防止プログラムを受けることがあります。しかし、道行く人への暴力と、近親者への暴力は本質的に異なるので、特化した更生プログラムが必要です。

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