介護保険が始まる前、「せんべい布団・床ずれ・風呂に1年も入っていないお年寄り」はざらであった。それが、20年前に介護保険が導入された時に最も重宝して有り難かったのが、訪問入浴サービスだった。「爺様は風呂が嫌いなのではなく、入れなかったのだ」ということに皆が気づかされた。
さて、お示しするのは胃ろう患者が入浴している写真で、今でこそ何でもない図だが、2000年頃胃ろうケアの全国講演に回らせてもらった際、この写真が出ると会場から歓声が上がったものだった。当時は、胃ろう部を高価な創傷被覆材でガードしてお湯に浸からせる施設も少なくなかったようで、主催者からは「この写真1枚だけで先生に来てもらった甲斐があった」と言われたほどだ。
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