厚生労働省は8月26日、2018年の「結核登録者情報調査年報」の集計結果を公表した。18年中に新たに結核と診断された患者(新登録患者)は1万5590人で前年より1199人(7.1%)減少したものの、外国生まれの患者は前年より137人増えて過去最多の1667人となった。
国内の新登録患者全体の数はこの20年近く減少傾向にある。18年における人口10万人当たりの結核罹患率は前年比1.0ポイント減の12.3で、「低蔓延国」(罹患率10未満)の水準にかなり近づいてきたものの、1桁の欧米諸国に比べると依然として高い水準にある。
一方で、外国生まれの患者は増加が続いている。18年の新登録患者全体に占める外国生まれの患者の割合は10.7%で、初めて1割を超えた。患者は若年層に集中しており、20代が896人と半数近くを占め、30代が344人、40代が151人となっている。20代の患者のうち617人は入国5年以内であり、罹患率の高いアジア圏からの留学生や技能実習生の増加が影響しているとみられる。
近年の外国生まれの結核患者の出生国は、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ネパール、ベトナム、中国の6カ国で全体の約8割を占めている。来年の東京五輪・パラリンピックに向け、厚労省は6カ国から来日する90日以上の長期滞在予定者を対象に入国前スクリーニングの実施を義務づける方針だ。