鳩が「平和の象徴」というのは、どうやら旧約聖書の創世記ノアの方舟のエピソードからの由来であるらしい。
「おまえは伝書鳩か」。この痛烈な言葉は、聖路加国際病院初期研修医の時に何も考えずに、ろくに診察もせずに、ナースなどからの情報を上級医に伝えるとしょっちゅう私に浴びせられていた言葉だ。そのおかげで今でも鳩を見ると、自分で考えてしっかり診察する医師としての「基本」を思い出す。
写真は、僧帽弁前尖に疣贅がついている感染性心内膜炎の経胸壁心エコー写真である。医師はもとよりこの写真を見て感染性心内膜炎を想起できない医学生も少ないだろう。今回は、この心エコーにたどり着くまで多くの時間を要してしまった教訓のお話である。
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