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ラグビーW杯観戦(下)[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(274)]

No.4982 (2019年10月19日発行) P.66

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2019-10-16

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大阪の花園ラグビー場といえば、高校ラグビーの全国大会が開かれることで有名だ。少なくとも現地では「ラグビーの聖地」と呼ばれている。前回報告したイングランド対米国に次いで、アルゼンチン対トンガの試合を花園へ見にいった。

最寄りの近鉄・東花園駅はあまり大きな駅ではないが、ものすごい人であふれかえっていた。アルゼンチンのユニフォームを着ている外国人がえらく多くて、会場の外からすでに大騒ぎである。

対するトンガは、人口が10万人程度だが、毎回のようにW杯に出場している。日本代表にトンガ出身の選手が5人もいることからわかるようにラグビーの盛んな国である。

しかし、いかんせん小国だ。トンガから来ている人は少ないのだろう、トンガのユニフォームを着ている人の多くは日本人である。せめてもの景気づけに私もトンガのユニフォームをと思ったが、時すでに遅く、売り切れで入手できなかった。残念。

試合前のウォークライとしては、ニュージーランド・オールブラックスのハカが有名だが、トンガにもシピ・タウがある。花園はラグビー専用なので、客席がグラウンドにすごく近いのがいい。目の前で見るシピ・タウは相当な迫力だった。

試合は、アルゼンチンが28点を先取。そこからトンガが追い上げはしたけれど、12点止まりと、盛り上がりに欠けた試合であったことは否めない。

花園ラグビー場には、密かに「花園おじさん」と名付けている、やたらとヤジのうまいおっさんたちがいる。今回の試合を盛り上げたのは、トンガのユニフォームを着たヨッパライの花園おじさん。
「花園ではそのプレーはペナルティーやぞ!」とか、「蹴ってばっかりするな、サッカーとちゃうぞ!」とか、絶妙のタイミングでヤジって笑いを誘う。W杯にはふさわしくないような気もするが、聖地・花園らしいからよしとしよう。

終了後、大急ぎで帰宅して、アイルランド対日本をテレビ観戦。帰宅途中の電気店で見た時は、12対3とリードされていた。やっぱりあかんかぁ、と思っていたが、福岡堅樹のトライで逆転、そして勝利!

会場で観戦した二試合よりも、テレビで見たこのゲームの方がはるかに興奮するとは……。ちょっと微妙な気分でしたわ。

なかののつぶやき
「福岡選手は東京オリンピックの7人制ラグビーまでで引退し、医学部への入学を希望しているという。そういった経験を持った医師が生まれるとしたら最高ですなぁ。福岡ならきっとやり抜いてくれることでしょう。いったいどこの医学部に入学することになるんでしょう。ちょっと楽しみ」

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