No.4707 (2014年07月12日発行) P.72
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-03-28
いきなり何を言うのかと思われるかもしれませんが、スプーン曲げをされたことがあるだろうか。超能力で、ではなくて、ちゃんと手を使って。
カレースプーンでやってみるとわかるが、相当に力をいれないと曲がるものではない。が、ちょっとした工夫、というか、イメージトレーニングをすると、おもしろいほど簡単に曲がる。
どうするかというと、目の前にスプーンを持って、前後にゆらゆらっと揺らす。単に揺らすのではなくて、これはスプーンのように見えるけれど、飴みたいに曲がる、と念じながら揺らすのである。
で、えいっと曲げる。どうです? ほとんど力をかけずに曲がってしまったでしょう? いっぺんやってみてください。ただし、これを知った時は、うれしくて何本も曲げて、妻に叱られてしもうたことは申し添えておきます。
不思議である。しかし、古来、火事場の馬鹿力ということはよく言われているし、実際にあるのだ。
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