株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

シャモニーでメメント・モリ [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(26)]

No.4725 (2014年11月15日発行) P.71

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • ノンフィクションが好きでいろいろなジャンルの本を読む。山が好きなこともあるけれど、山の本にハズレなし、といっていいほど山岳文学はおもしろい。

    たとえば、マッターホルンに初登頂したウィンパーの『アルプス登攀記』や、人類初の8000メートル峰登頂を描いたエルゾーグの『処女峰アンナプルナ』。なかでも、この一冊、と言われれば、ガストン・レビュファの『星と嵐』をあげたい。

    ところで、外国では墓地の散策がそこそこの観光になったりしている。シャモニーの町外れにある墓地は、有名登山家のお墓があることで知られている。この夏、モンブラン登山の際に訪ねてみると、入ってすぐのところに美しい花に飾られたウィンパーとエルゾーグの墓が並んでいた(写真)。地図によると、レビュファの墓はずいぶんと奥まったところにあるようなので、探しながらさらに歩いた。その時である。

    残り564文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top