No.4735 (2015年01月24日発行) P.73
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-03-15
冬の防寒には、手袋、マフラー、帽子が欠かせない。手袋は行方不明になりがちだが、思わぬところからひょっこり出てきたりして、ちょっとかわいかったりする。
マフラーはやっかいだ。ポケットに入らないので、ついどこかに置き忘れてしまいがち。そして、手袋と違って、行方不明になると、帰ってきてくれないことが多い。
もう1つやっかいなのは「おっさんにはマフラーが似合わないのではないか問題」だ。若者はおしゃれにマフラーを巻いているが、どうもおっさんたちは上手くない。
そして帽子。いらない人にはいらないが、私のように毛の不自由な人には必需品である。毛が少ない上に短いので、真冬に散髪した後など、なければ風邪をひきかねない。
帽子をかぶってみると、人間が誰であるかの認識において、髪の毛の果たしている役割がいかに大きいかがよくわかる。
遠目だと、よく知っている人にも、ほとんど気づいてもらえない。それどころか、すれ違う直前まで気づかれないこともよくある。そういう時は必ずすれ違いざまに挨拶をする。
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