厚生労働省は3月31日、2020年度改定に関する疑義解釈資料の第1弾を作成し、地方厚生局などに送付した。要件の見直しや新設された報酬、DPC/PDPSの運用について、Q&A形式で解説した。
外来関係では、電話再診で「診療情報提供料(I)」を算定するケースについて説明。患者の症状が重篤で救急医療機関への受診を指示し、搬送先医療機関に同日中に必要な診療情報を文書で提供した場合に算定するのが原則だが、夜間で診療情報の提供タイミングが日付をまたいでしまった場合であっても、翌日の診療を開始するまでの間の実施であれば、算定可能であることを示した。新設の「診療情報提供料(III)」では、紹介元医療機関にただ単に受診した旨のみを記載した文書を提供しても算定はできないとして、注意を促した。
「オンライン診療料」では、オンライン診療を実施しようとする月の直近3カ月間に毎月対面診療を行う医師が、オンライン診療を行う医師と同一である必要があることを明記。算定対象の「日常的に通院または訪問による対面診療が可能な患者」は、概ね30分以内の通院・訪問が可能な患者が目安ではあるものの、実際に診療している患者であれば、仮に通院・訪問に一定の時間がかかる場合であっても、同診療料を算定して差し支えないとした。算定対象に新規追加された慢性頭痛で一次性頭痛と診断された患者には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛などの患者が含まれることも示した。
入院医療では、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の新しい評価票の使用開始時期に言及。該当患者割合の適用に関する経過措置期間に応じて、▶経過措置期間が20年9月30日までの入院料(急性期一般入院料4以外)は少なくとも20年7月1日から、▶21年3月31までの入院料(急性期一般入院料4)は少なくとも21年1月1日から-となる。
「救急医療管理加算」は、今回の改定で入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置、手術のうち「主要なもの」を診療報酬明細書の摘要欄に記載することになった。その具体的な内容については、入院後3日以内に実施した診療行為で最も人的あるいは物的医療資源を投入したものが該当するとの解釈を示した。「地域包括ケア病棟入院料」の施設基準では、新たに設置が求められることになった「入退院支援及び地域連携業務を担う部門」に配置される看護師と社会福祉士が、「入退院支援加算」の施設基準に定められた同様の部門と同一のスタッフで問題ないことや、同じく要件に追加された「適切な意思決定支援に関する指針」について、既存の看取りに関する指針に意思決定支援に関連した内容が含まれている場合は、新たに策定する必要がないことなどを明らかにした。