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永遠の迷宮─私にとってのSTAP細胞① [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(35)]

No.4737 (2015年02月07日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-09

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  • 公式には「終わった」ということになるのだろうか。昨年末に記者会見がおこなわれたSTAP細胞についての調査報告は科学的に見て非常に精度の高いものであり、専門家にとっても納得いくものであった。

    しかし、すべてわかったというわけではない。ミステリー小説になぞらえてみれば、トリックは明らかにされたけれど、犯人は不明、もちろん動機も、といったところだ。

    早いものである。あの華々しい記者会見から1年が過ぎた。否が応でも目に入ってきてしまう報道であったが、できるだけ見ないようにしていた。科学というのはもっと粛々たるべきという気がして、なんとも言えない違和感があったからだ。

    公式に発表された1月28日より2週間ほど前に、関係者からおおよその内容は聞いていた。ほんまかいなと思った。が、論文を読んで、なるほど画期的だと思った。

    いまやその名前もなくなってしまったけれど、理研の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の錚々たるメンバーがバックについているので、論文の内容については露ほども疑わなかった。

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