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不登校の子どもたち [プラタナス]

No.4733 (2015年01月10日発行) P.1

阿部惠一郎 (北海道名寄市・あべクリニック院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-14

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  • 北海道名寄市・あべクリニック院長 阿部惠一郎(あべ けいいちろう)

    1949年生まれ。75年早大文学部卒、85年東京医歯大卒。茨城県立友部病院、国立武蔵野学院、八王子刑務所、千葉刑務所勤務を経て、2007年より現職。創価大教育学部教授。精神科医。著書に『精神医療過疎の町から』(みすず書房)など。

    今、不登校児童の治療について執筆している。日本最北のメンタルクリニックを開いて8年目になるが、当初はうつ病や認知症の診察が多いと思っていたところ、小学生から大学生まで不登校を主訴に来院した患者の数が、これまでの受診者総数の5%近くになっていることに驚いてしまった。当地は高齢者が人口の35%を超えている地域である。どのくらいの患者を通学できるようにしたかなど、統計を取ってみることにした。

    30年前、精神科医になったばかりの頃は、不登校児童は登校刺激に対して反抗的態度をとり、家庭内暴力も多かった。しかし、登校刺激をしなくなり、学校は「行けるようになったら行けばよい」ということになった。学校に通学できるようにすることが治療だと思っていたら、無理に行かなくてもよくなったらしい。

    不登校児童に関する最近の論文を読むと、学校に行くことに対して、ある識者は「子どもは学校に行かない」のだと言い、別の識者は「行きたいけれど行けない」のだと語る。子どもたちの話をじっくり聞くと、その両方の思いを持っていることがわかる。

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