骨脆弱性に伴う高齢者の関節周辺骨折が増加しており,骨折形態を正確に把握し,適切な保存あるいは手術療法を選択する必要がある。早期日常生活あるいは社会復帰のため,また固定材料の進歩もあり,手術療法が主体となっている。骨折型の正確な把握と適切な手術手技,効果的なリハビリテーションが必須である。
X線検査だけでは不十分なことがあり,特に関節周囲ではCT検査を追加し,関節面の損傷状況を正確に把握する。X線検査だけでは,転位のない骨折では診断が困難なこともあり,MRI検査を追加し骨内の信号変化を確認する。
保存療法を含めできる限り低侵襲な方法を選択する。関節近傍の骨折では,積極的な手術療法で正確な関節面の再建と固定を行い,外固定期間を短くし,早期からリハビリテーションを行い日常生活への復帰を促す。関節内骨折(肘,手,手根中手関節,中手指節間関節)では積極的に関節鏡を活用する。
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