1970年にザ・ビートルズが発表したオリジナル曲。作詞・作曲はジョン・レノンとポール・マッカートニー。同名の映画およびアルバム『レット・イット・ビー』のテーマ曲、タイトル曲である。同バンド最後の作品
〔写真は筆者提供〕
昨年暮、布施明のコンサートに行き、“My Way”を聴いた。
「……信じたこの道を私は行くだけ
すべては心の 決めたままに」
を聴きながら胸のうちに様々な思いが去来したのは、前夜に親しい同級生と杯を傾けつつ互いの近況と思いを語り合ったからかもしれない。彼らは教職や臨床現場でしかるべきポジションについており、上り下りはあっても、六十数年のそれぞれのmy wayを邁進した結果に違いない。しかし、その時、私の心にはもう1つのメロディーが静かに流れていた。
20代は柔軟な知力と旺盛な体力を武器にして研究に励み、我ながらよく仕事をした。30代早々新設教室の教官になり、臨床、研究、教育に一生懸命励んで成果を出し、充実した40代を迎えるはずだった。だが、研究環境も教室の雰囲気も好ましくなく、そこに自分の未来を見ることができなくなった。これからの人生を惨めにしないためにはどうしたらよいか。不惑直前にして、惑いの日々であった。
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