両著とも、1956年に出版された Jürgen Thorwald著『Das Jahrhundert der Chirurgen』の邦訳本。1994年に小学館からも大野和基訳『外科の夜明け』(地球人ライブラリー)が刊行されている。
塩月正雄 訳(東京メディカル・センター出版部1966年刊、講談社文庫1971年刊)/小川道雄 訳(へるす出版2007年刊)
〔写真は筆者提供〕
縁あって赴任した島の診療所には60がらみの診療所長がいた。問わず語りに聞くと、その昔は、学園紛争で戦ったらしい。その矜恃を持ったまま、大学には戻らず地域医療に従事し、地域での小病院長、保健所長などを歴任。その後、当診療所長として勤務していた。3年間、医局で机を並べて指導を受けた。臨床や病院運営のことだけではなく、離島生活の魅力、楽しみ方、苦労などを教わった。
ある時、心に残る一冊は、という話題になり、『外科の夜明け』を教えられた。ところが絶版となっており、インターネットで探して数カ月後に手に入れることができた。これは、2007年に新たに『近代医学のあけぼの』として出版されている。
残り404文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する